私は迷いの中にいる

毎日眠気しかない謎の深海魚の一言日記

「410 Gone」を読んだ感想(総括)に見せかけた自分の感情論

技術書典8 応援祭で電子書籍として販売されている
テストな人々のエッセイ集「410 Gone」の感想です。
 
crabink | 410 Gone #技術書典

■読むことによって、読む人の立場を洗い出す
このエッセイ集はこのサークルさんの4冊目の本になりますが、今までで一番読む立場によって感想が変わるんじゃないかなと思いました。
 
例えば1章。
QAエンジニアと開発が協調してテストを作っていく内容(超意訳なので詳細は内容見てください)
ですが、開発とコミュニケーション距離があるテスター、または距離が無いテスター
開発側の人、あるいはスクラムな人々それぞれによって感想がまるで変わってくると思います。
これを読んで「こうできたらなあ」と思うならば
開発とテストで比較的分業されている方だったりするでしょうし
「そうだよねー」と思うなら提示内容のように比較的開発を巻き込んで
テストを作っているのかもしれません。
読むことによって自分の位置を自覚させられるのです。

■あなたはテストが好きか?自律的に動いているか?どんな仕事をしたいか?
2章、4章、5章の内容です。(注:意訳ですので詳細は内容を見てください)
普段漠然と考えているテストのことや普段の業務の姿勢を改めて考えさせられます。
書いてある内容に対して思ったことを突き詰めていくと
自分が何を考えているかが洗い出されるという、心理テストか鏡のような内容です。
それだけに普段自分と向き合えていないと胸が詰まる箇所もあります。
 
私は、この本を読んで、自分の考え方の根底はCheckerであって
その在り方を否定されるのに抵抗を覚えているのではないだろうか?と自己分析しました。
筆者の方々が伝えたい内容では無いとは思うのですが、それでもそれが自分の読んだ感想です。
 
「テスター」ではなく「テストエンジニア」という言葉を見かけることがあります。
「受動的」は良くなく「自律的」が良いという言葉を見かけることがあります。
これらの言葉が伝えたい真意は何なのか、正確なところは解りません。
 
これらの言葉の一部は、期待される目的を果たすためによく考え、技術を磨いていくことを
心掛けるのだよ、と言っているのだろうと思っています。(推測です)
 
ただ、それ以外にこれらの言葉には
「(Checkingしかできない)テスター」「受動的(にしか動けない)」を
否定しているメッセージは込められていないでしょうか。
私の感受性が偏っていてこう読んでいる可能性もあります。
それでも、これらの言葉に私が違和感を覚えるのは確かなのです。
 
今の仕事を始めるよりずっと昔の話ですが
自分の仕事を「誰でもできる」と軽口で言ったことによって
同じ仕事をしている人を大変怒らせたことがありました。
そのときに「どんな仕事でも軽い、重いは無く、人によって重みが違うことを
軽んじることは人を傷つけることになる」ということを学びました。
今も私の中にはその考えが根底にあると思います。
 
私は今の仕事を始めてかなりの年月が経ちます。
色々な人と仕事をしてきました。
技術を磨きたい人や、自律的に動く人ばかりではなかったです。
それが全部駄目なことか、というと、それは無く
何のかんの言っても仕事は皆きちんとこなしていて、その仕事の仕方に
否定されるべき要素は無かったと思うのです。
テストに関わる仕事は色々な内容があれど、軽い、重いは無いんじゃないかと。

これは感情論です。
テストの仕事が専門的であるようにするならば技術をよく学び、よく身に着けて
よく考えなければいけないのは解っているつもりです。
それと仕事の重い軽いを混在して考えるのは良くないのも解る。
 
それでも私はCheckerな人々の仕事の在り方を、どうしても否定できないのです。
私には、「テストエンジニア」たりえない「テスト」の仕事を軽んじることは、できないのです。
 
私がいつかこの感情論を克服することができて、技術屋まっしぐら!になれればいいな
とは思うのですが、。。ははは。・・
私は否定を感じやすく否定をしたがらないんでしょうね。げっそりです。

…話が逸れに逸れましたが個々の章の感想は既に書いているので下記をご参照ください。